代々木駅西口徒歩1分のアレルギー科
皮膚科・形成外科・美容皮膚科
東京都渋谷区代々木1-38-5 KDX代々木ビル4F
TEL:03-3374-7291
FAX:03-3374-3226

皮膚・アレルギー診療

アトピー性皮膚炎・じんましん・花粉症・とびひ・ニキビ・水虫・いぼ・帯状疱疹・単純ヘルペス・虫刺されなどを診療しております。


アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎:アドピー性皮膚炎は遺伝性の免疫異常によって起こるアレルギー性皮膚炎です。
乳児期は食物アレルギーが主たる原因で、卵、牛乳、大豆が3大アレルゲンと言われています。
幼児期になるとハウスダスト(ダニ)や花粉、動物などの環境アレルギーが加わります。
成人期では環境アレルギーが強くなりますが、食物アレルギーは乳幼児期とは異なり穀物や野菜、魚類など主食が多くなります。これは外食が多くなり食品添加物など化学物質の摂取が多くなることが要因です。

当院の特徴はこれらアレルギーの原因物質を特定することです。
IgE抗体検査、アレルゲン皮内注射、パッチテスト(化粧品、石鹸、シャンプー、金属など)などを組み合わせて幅広く、精密な検索を行っています。
皮膚炎の原因を見つけることによりそれに対する生活指導を行い、ステロイド剤からの離脱可能な治療を心掛けています。
最近では重症例にIgG4モノクローナル抗体(デュピルマブ:デュピクセント®)による免疫療法で高い効果が得られています。

花粉症や気管支喘息もアトピー性の疾患です。
アトピー性皮膚炎同様に原因アレルゲンに対する生活指導を行い、重症例に対してはアレルギーに対する唯一の根治治療といえる減感作療法(注射により中和法)を行っています。


じんましん

じんましんの特徴は、皮膚の一部が膨らんだ発疹(膨疹:ぼうしん)が出現します。

膨疹の大きさはさまざまです。1~2mmから、手足全体を覆うものまで存在します。形状についても同様で、「円形」「不定形」「線状」「花弁状」「地図状」など多岐にわたり、決まった特徴はありません。これらは数十分~数時間で消失します。しかし症状によっては出たり消えたりします。24時間以上消えずに持続する場合は他の疾患を考えます。自覚症状としては、「かゆみ」「チクチクした痛み」「焼けるような感覚(熱感)」などが知られています。

原因は物理的なものから精神的なものまで数多く存在しています。日常的に触れるもの、避けられないものも原因となります。症状は原因による差はあまりありませんが、頻度やあらわれ方に違いがあります。

じんましんには多数の病型が存在しますが、抗ヒスタミン薬の内服は病型を問わず、基本的な治療方針となります。抗ヒスタミン薬には第1世代、第2世代が存在しますが、副作用が少なく、鎮静作用の低い第2世代が、じんましん治療の第一選択となります。

抗ヒスタミン薬の作用には個人差があるため、最初に処方した薬剤が奏功(そうこう:成果が出ること)しなくても、処方を工夫することで効果が得られる場合があります。
薬剤の種類を変更するほか、2剤併用にする、増量するなどの手段が考えられます。

アレルギー性、非アレルギー性を問わず、原因となる物質が明らかな場合は、原因を遠ざけることが予防の基本になります。
もちろん、物理性じんましんであれば、誘発要因となる刺激を避けることが予防になります。

当院では病歴聴取と皮内テスト、採血検査で可能な原因検索を行い、対策を行っています。

じんましんの中で、特にアナフィラキシーのリスクが高いのは、「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」です。
アレルゲンとなる特定の食べ物を摂取したあと、2~3時間で激しい運動をしたときに、アナフィラキシーショックをおこします。
日本人の場合、鶏卵、小麦、牛乳、甲殻類、そば、ピーナッツ、ナッツ類、ゴマ、大豆、果物などが原因になることが多いです。

難治性の症状の場合には生物学的製剤であるゾレア®の注射も行っているのでご相談下さい。


花粉症

花粉症とは、飛散した花粉に触れたり吸入したことにより生じるアレルギー反応の事を言います。
一般的には鼻水や鼻づまりが出る鼻炎や、目が痒くなる結膜炎があります。
しかしアレルギー反応体のどこにでも生じる可能性があり花粉飛散の時期だけに出る皮膚炎、かゆみ、胃腸症状なども花粉が原因の可能性があります。

主な花粉は春にはスギ、シラカンバ、ハンノキ、ヒノキがあり、秋にはカモガヤ、ブタクサ、ヨモギなどが挙げられますが他にも拡散の種類が存在しています。

対症療法として抗ヒスタミン剤や抗ロイコトリエン剤の内服や点鼻、点眼、軟膏治療を行います。

根本的治療として原因花粉が判明した場合は定期的に投与して抵抗力を獲得する減感作療法があります。
当院では注射による減感作療法(中和法)を行なっています。
お気軽にご相談ください

また基本的にはアレルギー疾患なので生活リズムを崩さず、食生活を乱さないようにし、花粉に暴露されないように、自宅では窓を開けず、空気清浄機を使用し、マスクの着用、帰宅時に直ぐにシャワーを浴びるなどの対策も行なってください。

難治性の症状の場合には生物学的製剤であるゾレア®の注射も行っているのでご相談下さい。


いぼ

「いぼ」といっても以下のように様々なものがあります。

  • 尋常性疣贅
    手や足にできる固く白くブツブツしたパピローマウィルス感染によるイボ
    治療は液体窒素やトリクロロ酢酸、長期間治らない単発のものは外科的切除を行います。
  • 脂漏性角化症
    別名老人性疣贅、頭部や顔、首などにできる褐色から黒色の平べったい盛り上がりです。
    こちらはダーモスコピーで容易に診断し、液体窒素やCO2レーザーで治療を行います。
  • アクロコルドン
    別名軟性線維腫あるいはスキンタタッグ、首にできる小さいイボです。
    根元に茎があるものはハサミによる切除が炎症を起こさずきれいに取れます。
    平べったいものは液体窒素で治療を行うと色素沈着が起こることがあるので、当院ではCO2レーザーで病変のみ丁寧に焼却します。
  • 水いぼ
    別名伝染性軟属腫、ポックスウィルスによる感染症です。主に小児期に感染し、体の一部に光沢のある2~5mm程度の白からピンク色丘疹が出現します。その後拡大します。接触感染で移り、タオルなどを介して兄弟間で感染で広がることが多いです。学校保健法では登園、登校中止の必要はないとされていますが、施設によってはプール禁止としている場合があります。
    基本的に自然経過で治癒しますが、湿疹病変が体にあり、掻いてしまう場合はピンセットで切除を行います。
  • 汗管腫
    汗を出す腺(エックリン汗腺)が増殖して主にまぶた(目の下、目の上)や眉間、こめかみ、おでこ、頬などに米粒くらいの肌色〜淡い褐色のブツブツができます。治療はCO2レーザーで行いますが病変が皮膚の深いところまであるので完全に取ろうとすると陥凹した痕になることがあるので再発の可能性はありますが平らになった時点まで焼却します。
  • ミリウム
    別名稗粒腫、皮膚に角質などが溜まった良性腫瘍です。まぶたや多いですが、おでこ、こめかみ、眉間、頬に米粒くらいの白から肌色のボツボツが出来ます。
    外傷やヤケドなどの炎症後にできることがあります。
    小切開して内容物を圧出して取り出します。
  • 皮角
    文字通り皮膚が固くなって角みたいになった状態です。
    前述の脂漏性角化症の場合がほとんどですが、時に日光角化症(表皮内癌)、有棘細胞癌であることがあり、切除して病理検査を行う必要があります。

イボと思って放置していたら悪性腫瘍(日光角化症、有棘細胞癌、基底細胞癌)であることもあるので急激に増大するものや大きなイボは早めに受診してご相談下さい。


とびひ

とびひは一般的に細菌による皮膚の感染症です。

ブドウ球菌や連鎖球菌などが原因菌で接触により他者にうつって火事の飛び火のようにあっという間にひろがるので「とびひ」と言われています。虫刺され、湿疹などを爪でひっかりたり、転んでしまって出来た傷に2次感染を起こしてとびひになります。小さなお子さんで鼻をほじくる癖があったり、風邪で鼻周りがあれているとその周囲からとびひが始まったりします。

近年では市中型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(CA-MRSA)による感染も増えており、難治化する例も多くみられます。当院では細菌検査を行い適切な抗生剤治療を心がけています。


ニキビ

  • ニキビ
    病名を尋常性痤瘡といい毛穴の中の脂を出す腺(脂腺)を反応の場とし,小さいしこり(白ニキビ、面皰)から始まり、炎症を起こしたり細菌に感染すると赤いぶつぶつや膿がたまります。炎症が長引くと軽快後にしみ(色素沈着)や凹んだニキビ痕が残ることがあります。
  • 面皰
    脂腺の活動性の亢進から皮脂の分泌が増加し,皮脂が毛穴にたまった状態で,毛穴が閉鎖した白ニキビ(閉鎖面皰)と黒ニキビ(毛孔が開大した開放面皰)に分けられます。
  • 炎症性皮疹
    ニキビに見られる紅色丘疹と膿疱(および紅暈・紅斑)のことを指します。
  • 囊腫・硬結
    ニキビの極めて重症な例で見られる強い状態です。
  • 炎症後の紅斑
    炎症性皮疹が軽快し炎症所見が消失した後に一時的に残る赤み。
  • 炎症を伴わない囊腫/硬結
    強い炎症を伴う痤瘡の皮疹が軽快し、炎症が消失した後に残る囊腫あるいは線維化病変を指します。
  • (痤瘡)瘢痕
    炎症性皮疹、その他の皮疹が軽快した あとに生じる皮膚の陥凹(萎縮性瘢痕あるいは陥凹 性瘢痕と呼ぶ)、隆起(肥厚性瘢痕とケロイドを含む)、色素沈着からなる症状を指します。
  • 急性炎症期
    炎症性皮疹を主体とし、面皰を伴う。炎症に対する積極的な治療が求められる時期です。急性炎症期の治療期間は最大3カ月間を目安として、維持期の治療へ移行します。
  • 維持期
    炎症性皮疹軽快後の時期で、面皰あるいは 微小面皰を主体とし,軽微な炎症(少数の炎症性皮疹や炎症性皮疹軽快後の病理学的炎症のある紅斑)を伴うことがある。軽快した状態を維持するため、面皰と微小面皰に対する治療を継続し、再発あるいは継続する炎症性皮疹には耐性菌誘導の懸念のない薬剤を選択する。
  • P. acnes
    痤瘡桿菌(Propionibacterium acnes)は毛包を中心とする皮膚に常在する好脂性、通性嫌気性桿菌で、ニキビの炎症原因となるといわれています。近年、抗菌薬の長期使用による薬剤耐性P. acnesの出現が懸念されており、適切な抗菌薬の使用が必要となります。

当院では生活指導、刺激性皮膚炎、アレルギー性疾患の除外とともに、急性期では抗菌剤内服、外用、アダパレンや過酸化ベンゾイル等を用いて治療を行い、維持期では抗菌剤外用、アダパレン、過酸化ベンゾイルで治療を行います。
難治例ではビタミンCローションやケミカルビーリングを用いた治療も考慮します(自費診療)。
痤瘡治療の補助的内服療法としてビタミンA、ビタ ミンB2、ビタミンB6、ビタミンEが用いられます。
ビタミンAは毛包表皮の角化を、ビタミンB2 とビタミンB6 は皮脂分泌を、ビタミンE は過酸化脂質を抑制することが考えられていますがはっきりとした有用性は示されておらず難治性の場合に使用を考慮する程度と思われます。

洗顔の有効性については1日2回の洗顔で皮脂の除去を行うことです。
油性の面皰形成性のある化粧品による痤瘡の悪化は 事実であり、コメドジェニックな作用のある化粧品は避けるべきであると思われます。
極端な偏食は避け,バランスの良い食事を 摂取すると良いでしょう。


やけど

高温の液体や固体が一定時間皮膚に触れることによっておこります。
以前はポットのお湯やカップ麺やみそ汁などをこぼして受傷することが多かったですが、現在はヘアアイロンによる顔面熱傷が多いです。
また、電気毛布やカイロなどの高温と気づかなくても長時間同じ部位にあたり続けると定温熱傷を起こします。
こちらは治療が長期にわたることが多く、痛みをともなわない事が多いので注意を要します。

【やけどの種類】

  • 1度熱傷
    赤みのみで疼痛が強いです。表皮のやけどで外用により2.3日で消退します。
  • 浅達性2度熱傷
    水膨れを形成し、疼痛が強いです。
    真皮の浅い部分のやけどで2週間程度で新しい皮膚に置き換わります。
    しばらく色素沈着で出ることがあります。
  • 進達性2度熱傷
    水膨れを形成しますがあまり疼痛がありません。
    真皮の深い部分のやけどで3~1か月かけて治癒します。
    のちに赤く盛り上がる傷や、色素脱失、色素沈着がしばらく残ります。
    手背や、足背などは手術の適応になります。
  • 3度熱傷
    皮膚が固く、感覚がなくなります。
    皮膚すべてが壊死に陥った状態です。
    1~2か月かけて治癒しますが場合によって手術が必要になります。
    低温熱傷は殆どの場合この状態となります。

当院は日本熱傷学会認定専門医が在籍しており、患者様の希望に沿った適切な治療を心掛けております。


帯状疱疹

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが体内で活動を再開することで発症します。主に子どもの頃に、このウイルスにはじめて感染すると、水ぼうそうを発症します。水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体の神経節という部位に潜んでいます。普段は体の免疫力によってウイルスの活動が抑えられているため発症することはありませんが、免疫力が低下するとウイルスは再び活動、増殖しはじめます。その後ウイルスは神経の流れに沿って神経節から皮膚へと移動し、体の片側に痛みや発疹が出る帯状疱疹を発症します。症状としては神経に沿って帯状にやや盛り上がった赤い斑点があらわれ、その後、水ぶくれができます。水ぶくれの大きさは粟粒大〜小豆大です。肩や首、腰では肩こりや腰痛と判断して湿布薬を貼付して発見が遅れることがあるので注意が必要です。一般的な合併症として、発熱や頭痛がみられることがあります。また、顔面の帯状疱疹では、角膜炎や結膜炎などを起こすことがあります。その他の合併症として、まれに耳鳴りや難聴、顔面神経麻痺などが生じることがあります。これをハント症候群と呼びます。陰部にできる場合には膀胱直腸障害が出現し、排尿や排便ができにくくなることがあります。
また汎発型といって2領域以上の神経節に症状が出る場合は感染力が高く水疱瘡に準じて感染に注意が必要となります。皮膚症状とともに痛みは消えていきますが、その後もピリピリするような痛みが持続することがあります。これを帯状疱疹後神経痛といいます。これは急性期の炎症によって神経に強い損傷が生じたことによって起こります。急性期痛は、皮膚や神経の炎症によるものですが、帯状疱疹後神経痛は神経の損傷によるものです。よって早期発見、早期治療が重要になります。

治療は坑ウィルス薬の投与と疼痛に対しての鎮痛薬投与です。皮疹に対しては軟膏で保護を行い、2次感染に注意します。ハント症候群や膀胱直腸障害を合併した場合は提携病院へ紹介させて頂きます。

帯状疱疹の診断は基本的に視診で行いますが、初発は困難な場合もあり、当院ではデルマクイック®による迅速診断も行っています。帯状疱疹を疑った場合はお気軽に受診して下さい。


単純疱疹(単純ヘルペス感染症)

単純ヘルペスウィルス(HSV)1型または2型に感染することにより皮膚や粘膜に疼痛を伴った小水疱が出現します。
HSV-1は口唇や口内炎に出現することが多く、HSV-2は陰部に出現することが多いです。
感染経路は病変を直接触れたり(接触感染)、くしゃみ・咳きや唾液などがかかって(飛沫感染)感染します。
HSVは一度感染すると神経節に潜伏し、免疫状態が低下すると症状が出現し、繰り返します。

典型的な経過としてピリピリやチクチクなどの違和感が生じてその後赤く腫れます。
その後水疱を形成してカサブタとなり治っていきます。
アトピー性皮膚炎のように湿疹病変部位に感染すると広範囲に水疱が出現して重症化します。(カポジ水痘様発疹症)

治療は坑ウイルス薬の外用または内服で症状の出はじめに対処することが望ましいです。
陰部で再発を繰り返す場合には少々の坑ウィルス薬を連日長期内服して予防する場合があります。
陰部や口腔内に水疱や、潰瘍が出現した場合はベーチェット病や梅毒等の疾患と鑑別が必要になることがあるので早めにご相談下さい。


水虫

水虫は病名としては白癬(はくせん)といいます。
感染症の一種で、白癬菌(はくせんきん)が足や手の指や足の裏、爪などに感染して痒みや炎症などが起きます。
足、手、爪以外にも体のどの部位にも付着します。

【足白癬】

  • 足指の間(趾間型)
    水虫の中で最も多いタイプ。第四趾間(薬指と小指の間)に最もよくできやすいのも特徴のひとつです。
    足趾の間の皮膚が湿ってふやけたようになりジュクジュクする「湿潤型」と、皮が薄くむけ赤くなったり、ひどい場合は皮膚に亀裂が入ったりする「乾燥型」に分けられます。
  • 足の裏・フチ・指の付け根(小水疱型)
    指の付け根や足の裏、足のふちなどに、小さな水ぶくれ(小水疱)ができる水虫です。
    かゆみは必須ではありません。2次感染を起こして腫れ上がる事があり注意を要します。
  • かかと(角質増殖型)
    足の裏全体、かかとの角質層が厚く皮膚が硬くなった部分が粉をふいたような状態になります。
水虫は家庭内に一人患者がいると、かなり高い確率で周りの人へもうつってしまう病気です。
自分のためにはもちろん、周りの人への感染を防ぐためにも、早急な治療を心掛けましょう。

検査は検体を採取し薬品を加える直接鏡検(顕微鏡での検査)KOH法で行い、5分程度で結果が出ます。

外用薬は爪の周り、趾間、足底、踵まわりまで万遍なく一日1回外用してください。
最低1カ月は塗布を続けましょう。平均的な治療期間は1~3カ月です
抗真菌薬は刺激性があるので外用して皮膚炎が生じることがあるので注意してください。
白癬は湿った環境を好むのでなるべく足は乾燥させることを心がけて下さい。
同じ靴やスリッパをはいていると再感染するので履く靴はこまめに変えましょう。
ご家族でタオルやバスマットを共有しないように心掛けてください。

【爪白癬】
爪白癬は爪に白癬菌が感染して発症します。
ほとんどの症例で、すでに足白癬を患っており、足から爪へ白癬菌がうつりすんだものです。
白癬の侵入経路より主に4つのタイプに分類されます。

①遠位・側縁部爪甲下型 爪の先が厚ぼったくなり、黄色や白色に変色してしまうタイプです。
②白色表在型 爪の表面に白い膜をつくるタイプです。
③近位部爪甲下型 爪の根元から侵されるタイプです。
④全層異形成型 爪の全体が変形してしまうタイプです。

検査は足白癬同様検体を採取し薬品を加える 直接鏡検(顕微鏡での検査)KOH法で行い、10分程度で結果が出ます。
 爪白癬では皮膚と違って菌要素を見つけにくいこと、および菌の形態が不整形で判定しにくいことが多いので陰性でもなかなか治らな場合は再検査が必要です。

爪白癬の治療には内服薬(飲み薬)と外用薬(ぬり薬の抗真菌薬と呼ばれる薬)が使われます。
足白癬は外用薬で治療することが多いのですが、爪の中は白癬菌にまで薬の効果が行き渡りにくく、爪白癬の治療には抗真菌内服薬および浸透力の強い外用薬が使われます。

爪が伸びる速さは手の爪で1ヶ月に3ミリ、足の爪で1.5ミリといわれ、完全に生え替わるにはそれぞれ6ヶ月、1年以上の時間が必要です。

  • 内服薬
    テルビナフィン(テルビナフィン®)は1日1回1錠を6ヶ月毎日内服し続けます。
    この薬は肝障害を起こすことがあるため、治療前と治療開始後2ヶ月は月1回の血液検査が必要です。
    併用注意薬剤あり、妊婦、授乳婦は原則禁止です。

    ホスラブコナゾール(ネイリン®)は1日1回を3か月内服し続けます。
    この薬剤も肝機能障害を起こすことがあるので、治療前と治療開始後2ヶ月は月1回の血液検査が必要です。
    こちらも併用中止薬剤あり、妊婦、授乳婦は原則禁止、妊娠可能な婦人では3か月避妊する必要あります。
  • 外用薬
    表在型、遠位側縁部爪甲下型の症例、小児例、肝障害等があるため内服できない場合あるいは内服を希望されない患者さんに爪への浸透性が高い外用爪白癬治療薬(エフィナコナゾール、ルリコナゾール)を処方します。
    これらの外用剤は足白癬に使用される抗真菌剤より刺激性の皮膚炎が出やすいので必ず爪のみに使用し、皮膚についたらぬぐい取るようにしてください。

足、手、爪以外にも体に痒くてなかなか治らないふけの様なかさつき(鱗屑)を伴う境界がはっきりした赤みがある場合は体部白癬を疑いますので是非病院で検査してみてください。